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医療設備研究班が52時間の停電被災〜備えと対応実践〜 太陽光発電とカセットガス発電機HONDA "enepo" (エネポ) 電気工事士免状取得25年、療養住環境や医療福祉設備の停電対策を研究してきたAmpiTa研究班が被災。研究成果の活用や失敗を紹介します。

停電は災害ですか


災害

武庫川

一次災害

 台風や地震などの自然災害により、暴風雨や揺れが直接的な原因となる被害を一次災害と呼んでいます。
 例えば電柱や橋などが倒壊してしまうようなものが一次災害です。土砂崩れや高潮による冠水なども今回の台風では発生しました。

東京海上日動:地震の被害


武庫川

二次災害

 一次災害に引き続いて発生するライフラインの断絶などが二次災害です。
 今回の台風21号では二次災害が多く見られました。

朝日新聞デジタル:駐車場付近で火災、車100台が炎上 兵庫・西宮(2018年9月4日18時42分)





停電は二次災害

武庫川

停電は災害でした

 台風に伴って発生した停電は定義でいえば『二次災害』でした。すなわち災害です。

 被害を免れるとしても、地震などと同様に災害に巻き込まれることは十分に想定できます。
 たとえば交通信号。道路を渡ることができず足止めされているこの状況でも既に二次災害である停電に巻き込まれています。

 二次災害としての停電、『災害』であるとの認識を持って向き合い、対策を講じる必要がありそうです。





被災と被害

中央防災会議

災害時の避難の考え方(中央防災会議@内閣府)

 災害対策基本法第60条によれば『災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは』という文言があります。

 家屋が健全で、水やガスが供給され、店舗が通常営業していれば停電自体が生命や身体を脅かす災害であるとは言い難いかもしれません。
 その考え方からすれば、自然災害(一次災害)から発生した二次災害としての停電については、一次災害の程度により対応が異なるのも理解できます。

 今回の台風21号では、台風自体で避難指示等が出された地域は少数であり、一次災害による被害は限定的であったようです。
 一方で二次災害である停電は200万軒以上に波及し社会を混乱させましたが、一般家庭における生活の不便はあったものの生命危機の存在が避難所開設に至るほどの多数ではないと判断されたのではないかと分析します。

災害時の避難に関する検討課題 避難の考え方の明確化, 中央防災会議『災害時の避難に関する専門調査会』第4回資料2
中央防災会議 災害時の避難に関する専門調査会
平成29年版防災白書:第1部 第1章 第2節 2-4 指定緊急避難場所と指定避難所の確保
大阪府:大阪府避難所運営マニュアル作成指針



中央公民館

自治体の対応状況

 停電発生から丸一日、9月5日15時の時点で停電は42.3万軒、あちらこちらで信号が消灯している最中で、自治体が用意した市民向け開放施設は1箇所。他の自治体を見ても3カ所程度。

 台風や地震が発生すれば何十カ所もの小学校が避難所として開放されますが停電では避難所の開設は見られませんでした。

 行政が避難を指揮命令する災害では無いのが原因ではないかと考えています。

関西電力:台風21号による停電について(第22報:15時00分現在)



市役所に電話

以前の聴き取りでも...

 ある市役所で以前に聞きました。
 エリア人口9,000人、避難所キャパシティが1,500人程度。これは阪神淡路大震災の際に避難した人が2〜3割だったので十分な数字と評価しているらしいのですが、『エネルギーインフラが全て寸断された場合には市民が殺到するのではないですか?』と問うと、それは想定しないとの回答でした。

 つまり、家屋倒壊などで安全な建物を失った人を収容するスペースは提供できても、家屋が正常で電気・ガス・水道などが寸断され食事やトイレに困っている人は避難所では対応を想定しないという事でした。

 オール電化の住宅が普及した時期であったので、見直すべきではないですかと思いましたが、多くの市町村で同じような考えが定着しているのかもしれません。





一次災害有無の差

新聞1面

同週発生の2つの災害

 2018年9月4日に関西・四国・東海・北陸などを襲った台風21号は数百万世帯で停電を引き起こしました。関西電力では延べ219万軒、中部電力では最大73万軒、北陸電力や四国電力を合わせると305万軒の停電になります。
 3日目昼の時点で関西電力だけでも264,000軒が停電、4日目昼で126,400軒が停電していました。

 2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震は最大震度7、北海道全域295万軒が停電し8日正午には約294万軒が復旧しました。
 3日目昼の時点で10,600軒の停電です。

北海道新聞:294万戸で停電復旧 残るは1万戸(9/8 14:13)
内閣府:平成30年北海道胆振東部地震に係る被害状況等について(9月8日14時00分現在)



新聞1面

報道には格差

 一概に比較することは難しいですすが、紙面の占有面積やテレビ報道の時間数などを見ていると、北海道の地震の方が大きく扱われています。
 それだけ一次災害が甚大であったことを物語っていると思います。

 停電に限れば軒数や経時的な復旧率で見ても台風21号の爪痕は大きかったのですが『全域停電』『震度7の地震』のインパクトは絶大でした。

 私たちは医療機器を使う患者ではなく、高齢者でもないので停電自体が生命危機には直結せず、また自家発電による防衛があったためエアコンも冷蔵庫も使える生活を送ることができましたが、危機感を募らせた方々も居たようです。
 関西電力の記者会見冒頭で社長が謝罪するところから始まりました。関電のミスで停電した訳ではないのですが、復旧を待つ顧客から受ける指摘や意見は多様なので、謝罪も必要であったのかなと思いました。
 限られたインフラの中で情報収集する停電エリア住民としては、ネットニュースの動画で謝罪シーンに時間を割くよりも停電状況や復旧見込みを知りたかったです。

産経新聞:停電、断水…疲労ピーク 阪神地域復旧遅れる いらだつ住民(9/8 06:54)
産経新聞:『見当もつかない被害額』 浸水被害の六甲アイランド 従業員らが復旧作業に追われる(9/6 07:08)
産経新聞:大阪の停電『最大96万戸』完全復旧至らず、長期化の見込み…電柱被害800本以上(9/7 18:45)



新聞1面

新聞1面トップ

 2018年9月4日〜8日までの朝夕刊の紙面占有率を調べてみました。

 各凡例は以下の通りです。

青色…台風21号関連記事(停電以外)
橙色…台風21号停電関連記事(見出しに停電キーワードあり)
緑色…北海道地震関連記事(停電以外)
赤色…北海道地震停電関連記事(見出しに停電キーワードあり)

2018年9月4日 朝刊 1面

2018年9月4日 夕刊 1面

2018年9月5日 朝刊 1面

2018年9月5日 夕刊 1面

2018年9月6日 朝刊 1面

2018年9月6日 夕刊 1面

2018年9月7日 朝刊 1面

2018年9月7日 夕刊 1面

2018年9月8日 朝刊 1面

2018年9月8日 夕刊 1面

日本経済新聞:2018年9月4日朝刊1面
日本経済新聞:2018年9月4日夕刊1面
日本経済新聞:2018年9月5日朝刊1面
日本経済新聞:2018年9月5日夕刊1面
日本経済新聞:2018年9月6日朝刊1面
日本経済新聞:2018年9月6日夕刊1面
日本経済新聞:2018年9月7日朝刊1面
日本経済新聞:2018年9月7日夕刊1面
日本経済新聞:2018年9月8日朝刊1面
日本経済新聞:2018年9月8日夕刊1面



新聞1面

報道の影響力

 北海道地震ではSNSでデマが拡散しました。

 SNSはリアルタイムで情報を得ている感覚になりますが、発信元を確かめないとデマであったり、勘違いして発信する事もあります。

 行政は仕事が多すぎて情報発信が遅れることがあったり、読み方が難しい資料が発出されたりすることもあります。

 SNSがデマのリスクがあると分かれば、新聞やテレビの影響は大きいです。

 2018年に発生した西日本豪雨では報道の多かった岡山県真備町や、尾畠氏が駆けつけた呉市天王地区などにはボランティアや支援物資が集まりやすい状況であった一方で、広島のマイナーなエリアでは片付けに手がつかず復興には時間のかかりそうなエリアもあります。

 2018年には大阪北部地震も発生しましたが、屋根に掛けるブルーシートが品薄状況でしたが、学校のブロック塀が倒壊した『高槻市』の報道量が非常に大きかった影響もあってか、高槻市にはブルーシートが支援物資として集まり無料配布されてる映像がニュースで流れている一方で、同様に被害のあった茨木市や吹田市では無料配布どころか調達に出掛けても入手できない状況がありました。

 デマを打ち消す効果のある報道、支援物資やボランティアの数に影響を与えている報道、非常に影響力が強いメディアです。

日本経済新聞:北海道地震 SNSでデマ拡散 『数時間後に大地震』『大規模な断水始まる』 専門家『発信元確かめて』 過去の災害でもデマ 防止へ『サイバー巡回』実施(2018年9月12日)



新聞1面

台風停電報道の少なさ

 関西や東海が停電している状況は新聞1面トップの見出しに出る事はありませんでした。

 北海道の1次災害は震度7の大地震であり、全国から多くの支援や救助が必要でした。それを国民がシェアする意義は大きいと思います。

 関西・中部で300万軒以上の停電があり、冷蔵庫や洗濯機など生活に密着した電化製品は使えませんでした。スーパーやコンビニも臨時休業していました。

 東京消防庁の発表では、熱中症搬送患者の45%は宅内発生。エアコンを使っていなかったために熱中症になった人も多かったそうです。
 停電が発生するとエアコンは使えません。扇風機も換気扇も止まります。冷蔵庫も自販機も停止するので冷たい飲み物も手に入りづらくなります。

 私たちAmpiTa Project Teamは停電に備えていたため大きな被害もなく、不便を感じる事も少なかったですが、停電で生命に危機を感じるような状況の方々も多かったと思います。
 病院や介護施設も被災し、台風の翌日や翌々日まで停電や断水が続いている施設がありましたが、関西人ですら知らなかったというほど、停電の報道が少なかった印象です。

日本経済新聞:高齢者の熱中症、午前・夜間も頻発 東京消防庁(2018年8月10日)
日本経済新聞:連続災害 停電復旧に課題 各社応援、人員や機材分散 10日で600万戸被害(2018年9月15日)





減災できる災害

enepo

減災

 災害は発生した規模を変えることは難しいですが、被害を減らすことは可能な場合があります。

 特に二次災害は一次災害の副産物的な要素があります。
 例えば食器棚が地震に遭わないようにするのは困難ですが、地震で倒れたり食器が飛び足してきたりしないようにすることはできます。食器が散乱しなければ物損が減るだけでなく歩く場所が確保でき、掃除の時間も削減できます。

 二次災害としての停電も、備えにより減災することが可能です。



事前策

 わかりやすい事前策は発電です。電力会社から電力が供給されないならば、自前で製造する方法が手っ取り早いです。

 小さな発電としてはバッテリがあります。スマホのモバイルバッテリは普及し鞄に常備している人も多いと思います。
 停電の多い新興国などではテレビもバッテリ内蔵品が売れ筋だそうです。日本メーカーもバッテリ搭載品を販売していますが、日本では滅多に見かけません。

 停電して困るものの1つに冷蔵庫があります。冷蔵庫の電力を賄う事が大変でも、保冷剤とクーラーボックスは常備しやすいアイテムです。冷蔵庫の食品が温まってしまう前に、クーラーボックスに移し替える事でも自衛できます。




事後策

 事後策はかなり少なくなりますが、まずは電力を使わない方法を模索することです。

 トイレの水はポンプで揚水しなくても、バケツに入れて階段を上がれば水は用意できます。タンク式であれば、バケツでタンクに水を入れれば、あとは落差で便器に流れます。

 スマホの充電であれば、公共施設などで充電させてもらう方法も考えられます。断水すれば給水に出掛けるように、停電すれば充電に出掛けるのもありかもしれません。トリプルタップや延長コードを持参すると、コンセント争奪戦に負けることなく、またコンセントを分け合えば気持ちよく使えると思います。




※.当サイトで紹介する情報は災害時の安全を約束するものではありません。参考情報としてご覧ください。







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バナースペース

AmpiTa Project

www.ampita.net





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