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医療設備研究班が52時間の停電被災〜備えと対応実践〜 太陽光発電とカセットガス発電機HONDA "enepo" (エネポ) 電気工事士免状取得25年、療養住環境や医療福祉設備の停電対策を研究してきたAmpiTa研究班が被災。研究成果の活用や失敗を紹介します。




個別の細かな記録は別記します。関連記事アイコンや時間表示画像をクリックすると開くことができます。個別の質問はお問合せフォームからお受けします。


台風21号(2018年)

発災

9月4日台風上陸⇒PM大停電

 台風21号は2018年9月4日昼頃に日本へ上陸しました。14時頃には『非常に強い』勢力で神戸に上陸し北上。この頃に100万軒規模で停電が発生しました。 

 私たちの拠点がある兵庫県伊丹市は13時半頃に停電しました。ガスや水道の断絶はありませんでした。

 停電が発生した時間帯、神戸や大阪では最大風速を記録し、その速度は時速換算で150〜200km/hrでした。物が飛んでくれば相応の衝撃があり、電柱倒壊や架線への飛来物が停電を引き起こしました。
 風速30m/s以上はわずか30分間しか記録しておらず、短時間に大きな被害をもたらしました。



停電

停電概況

 関西電力管内では200万軒以上の停電が発生しました。

 9月6日21時時点の暫定値で609本の停電折損、6割弱が大阪府内でした。

 台風上陸から4日目の朝、9月7日7時時点でまだ16.4万軒の停電、9月8日6時でも6万軒の停電が残りました。倒木多数などにより作業困難で停電長期化が予想される地域が3万軒超あることも9月7日午後に発表されました。

 私たちの拠点(兵庫県伊丹市)が復電した9月6日夕方、関西電力の発表では延べ停電軒数219万軒、未復旧(停電中)23万軒でした。

 電力以外のインフラですが都市ガスはほぼ正常でしたが断水は発生していました。特にマンション等では停電によるポンプ停止で局所的断水が発生し、その軒数は相当に多かったようです。



停電

停電52時間

 私たちは約52時間の停電を経験しました。

 災害対策を研究してきたAmpiTa Projectとして『備えあれば患えなし』と言えたかどうかの検証も含めまとめています。





全体概要

発災後15分

様観 ⇒ 初動

 最初の15分くらいは『すぐに戻るかな』と様子を見ていましたが、復旧する気配がないため停電対策初動を開始しました。


発災後20分

状況把握

 まず、被害状況を確認しました。
 停電して困るものを想像し、どのような電力確保手段があるか再確認しました。


発災後30分

対応始動

 状況把握から、電力喪失を要因に通信系がダウンしていることを確認。
 我々が取り組むべきは停電対応であることを再確認し初動に入りました。


発災後30分

太陽光発電(自立運転)

 太陽光発電システムを連系運転から自立運転に切り替え、宅内の専用コンセントから電源を取り出せるように対処。


発災後40分

失敗・エネファーム発電(一時断念)

 エネファームのリモコンが消灯しており、取扱説明書を読んでも再起動は不可能のように書かれていたので、とりあえずは後回しにしました。


発災後45分

カセットガス式可搬型発電機始動

 停電は長期化が予想され、生活に必要な電力を確保するため発電機を始動させました。
 屋根のある勝手口に発電機、電線は洗面所の小窓から取り込みました。
 始動時のガスボンベは使用中途2本、新品9本でした。


発災後50分

配線取り回し

 扇風機や携帯の充電は既に開始しました。工事用ケーブルを2Fへ配線、エアコンと扇風機とラジオに接続し拠点を形成。冷蔵庫へも配線を接続し空調と食品長期保存環境確保。


発災後3時間30分

電子レンジで夕飯調理

 夕方になったので発電機に接続されているすべての機器を外し電子レンジを起動。600Wでは始動電流に耐えられず遮断するため500Wで加熱。コンビニ弁当や麺類を温めました。


発災後4時間

給湯器起動

 ガスは正常に供給されていたため、給湯器へ電源を投入すれば給湯できるとの見立てから電源を接続、給湯が確立し浴槽に満杯の湯を張りました。


発災後4時間30分

近隣商店調査

 近隣のスーパー・コンビニを調査。ファミリーマート、ミニストップ、ウエルシア、コープ、万代など軒並み休業。半径数キロ圏内には営業中店舗は無いと想定しました。


発災後5時間30分

カセットガス買い出し

 カセットガスは4本消費、残り7本分。最長6時間程度しか持続しないため一晩を乗り切るためにボンベ調達に出かけました。
 まだ19時ですが近隣のスーパーやコンビニは臨時閉店、5km先の近郊ホームセンターやショッピングモールも本日は休業。信号が消灯しているため交通渋滞もあり苦戦しました。


発災後6時間

ボンベ調達成功1回目

 約8kmを30分以上バイクで走行し中山寺駅近くのドラッグストア(ウエルシア)が営業中であり、店内でカセットガス発見。店員さんに聞くと店頭在庫のみとの事で15本調達。
 3本組321円でしたが2組で18円引、3組で48円の値引きがありました。


発災後6時間30分

ボンベ調達成功2回目

 先ほどの店舗で近くの系列店を聞きウエルシア宝塚山本店で2回目の調達。18本のガスボンベと10本のローソクを調達できました。
 ローソクは1本4時間点火の7.5号長時間タイプ。537円。


発災後7時間

帰着

 ガスボンベ33本を調達して今晩は乗り切れると判断し戻りました。21時前でした。


発災後7時間30分

寝床確保

 8畳程の部屋に1部屋に全員が集まり就寝できるよう、配線の取り回し。臨家への騒音に配慮し発電機を玄関前へ移動。深夜のボンベ交換も玄関から近く、雨にも濡れない位置。

 エアコン、照明、スマホ充電コンセントを確保し布団を敷いて準備完了。
 冷蔵庫にも電源供給が可能であったが、冷凍庫までは不可のため夜間切替を計画。


発災後8時間

就寝

 各自で自由に時間を過ごすにも照明、テレビ、エアコンなど何も使えないため21時半には就寝体制。


発災後9時間

ボンベ交換

 発電機の定格出力900VAでは1.1hr、エコスロットで2.2hrでガスボンベが尽きるため、最長2時間程度でボンベ交換。消灯から1時間程度で夜間初回のボンベ交換。
 冷蔵庫と冷凍庫の2台保有のため、一旦は冷蔵庫の電源を落とし冷凍庫へ電源供給。


発災後12時間30分

近隣見回り

 9月5日深夜2時過ぎ。夜間3回目のボンベ交換で起床し屋外へ。
 近隣にジェット機並みの轟音を立てている発電機があるようなので現地へ。我々の発電機から直線距離で150mの位置にある有床診療所の非常用発電機の音でした。発電機の30m付近まで行きましたが何も聞き取れないほどの轟音でした。真横には民家が何軒もある住宅街です。


発災後13時間30分

轟音停止

 深夜3時頃、轟音が突然止まりました。診療所には人の気配が無かったので、恐らく燃料切れかと思いますが、停電の夜に窓を開けて寝ている人も多い中、数百メートル先まで聞こえていた轟音から解放されたと思う住民は多かったと思います。


発災後14時間30分

発電機休止

 深夜4時頃、夜間4回目のボンベ交換。屋外は涼しく感じられたため発電機を再起動せず窓を開けて寝る事に。この判断、あとで失敗であったことに気づきます。


発災後17時間

朝食

 朝6時前には皆が寝苦しさから目覚め。気温は良いが台風の影響で湿度が高かった。
 数時間前に発電機を休止したため冷蔵庫もやや温度上昇。前日の停電発災前に調理済のサンドウィッチとドリンクを取り出して朝食。ラジオで情報収集するも交通情報程度しか放送されず。


発災後18時間

洗濯機

 平時以上に洗濯物が多い朝であったため洗濯機起動。冷凍庫や冷蔵庫の食品の保存状態にも配慮し朝から発電機再起動。1時間程の洗濯は問題なくできました。


発災後18時間30分

分電盤

 延長コードでの配線が面倒であることや、照明が確保しづらいことから分電盤の分岐回路に直接通電する方法に切替。まずは風通りの良い部屋に通電し壁コンセントと天井照明を使用可能に。


発災後23時間

カセットガス買い出し

 朝の時点で10本消費。使用中を含め34本、17回分のボンベ残量は24時間分と仮定。
 台風一過の暑い時間帯も想定し消費量増を見込んで昼から調達に出掛けました。昨日は伊丹の北側へ行ったため、本日は南側のウエルシアから訪店。
 移動中、NTTの建物に電源車が停車していた。


発災後238時間30分

ウエルシアで調達

 前日と同様に営業中のウエルシアではガスボンベが調達可能。店頭在庫6組18本調達。
 レトルトごはんが大量に売っていたため20パック購入。弁当類の棚は空。


発災後24時間

ホームセンターで調達

 工事用延長コードを追加したかったため山手幹線沿いにあるロイヤルホームセンターを訪店。ガスボンベの箱が山積み状態で買い占めできないほど在庫あり。過剰在庫にならないように3組9本調達で747円。延長コードは工事用3口10mで1,490円。


発災後24時間30分

スーパー

 食料品調達のため阪急オアシスへ移動。品薄感は無く、一部でサンドウィッチが店頭に並んでいないのが気になった程度。ふりかけや漬物などを調達。
 ここまで15km程をバイクで走行してきたが点灯している信号の方が少なく、停電の規模の大きさを実感したため、72時間の停電を想定した準備に入る。


発災後28時間

夕食

 今夜の夕食は残り物。冷蔵庫にあった前日のおかず類を電子レンジで温め。
 御飯はレトルトを鍋で湯煎。10〜15分程で温め完了。
 今回はキッチンに分電盤から給電したためレンジも換気扇も使用可能。


発災後28時間30分

追い炊き

 停電後2回目の夜。昨晩満杯まで張った浴槽の湯を給湯器で追い炊き。分電盤からの電源供給で給湯器は正常動作。風呂照明は通電が手間なので懐中電灯にビニル袋。


発災後29時間

臨家まで復電

 停電発生から29時間。すぐ隣の家まで電気が復旧。信号も復旧。しかし引込系統が違うため正面や両隣は停電中。近くの電柱に引っかかったシート状のゴミが撤去されていない様子から今晩の復旧は見込めないだろうと予想。


発災後29時間30分後

近隣探索

 こんな日に自治会長は班長会議開催の知らせを届けに来て、他の班長に配るようにとのことでポスティングに出掛けました。なんとも非常識というか危機感がないというか。
 復電の様子を見に近所を歩き回ったところ、ファミリーマートが営業再開。
 戻ってくると駐車場で車中泊を始めるご近所さんを発見。ハイブリッド車はエンジン起動の時間が短いので車中泊向けかもしれません。


発災後32時間

就寝

 やることがないので就寝。昨晩の教訓から、今晩はエアコンを止めずに朝まで発電を続ける用意。早い時間は25℃設定で部屋を冷やし、深夜は27℃設定でマイルド運転。


発災後38時間30分

深夜4時

 昨晩は深夜4時頃にエアコン停止して寝苦しい朝を迎えたため、本日は発電機を休ませることなくボンベ交換して運転継続。気持ちの良い朝を迎えられました。


発災後41時間

通勤・通学

 街中で停電は継続しているらしく伊丹市営バス、阪神バス(旧尼崎市営)ともに運休。駅まで出られないためバイクで出発。子供を駅に下ろし京セラドームのイオンへ。


発災後42時間30分

大阪市内

 本日は近鉄で京都方面に行くためドーム前駅から乗車。イオンモールのバイク駐輪場が朝7時半開業のため本日営業ありと信じて出発し、ほぼ定刻到着。
 電車のダイヤに乱れはなく8時前の奈良方面電車に乗車。座席に余裕がありました。
 大阪市内も停電中の場所があり、切れた電線が地面に落ちていたり道路に散乱物があったりと復旧の手が回っていない場所が多々ありました。


発災後44時間

京都府宇治市

 近鉄は定刻運転で9時半には宇治着。宇治市内も被害が多く街路樹が軒並み倒木。建物被害も多数みられました。


発災後48時間

hug MUSEUM

 エネファーム発電が使えないため大阪ガス発祥の地にあるハグミュージアムへ。
 当方が調達した装置は停電時自動切換発電機能付きである事を確認。停電後に発電を開始することはマニュアル上はできないことになっていることも確認。
 工事マニュアルを閲覧させてもらうと、当方の装置が標準作業されていないことが発覚。配線のつなぎ方なので今回の発電しないこととは直結せず。


発災後49時間

ガスボンベと延長コード

 48時間経過しても停電が解消されない事からボンベを21本追加調達。1,874円
 延長コードも10mを1本追加。1,382円。
 調達はビバホーム大阪ドームシティ店。バイク駐輪場が資材売場内にあるが、そこのレジにはポリカの波板を持つ客が5名以上。職人では無さそうな人も2〜3人が波板を持って売場を歩いていました。店内もネジや補修材コーナーに一般客、店員に色々質問する人も多く居ました。


発災後50時間

電柱にはまだ飛来物

 停電から50時間経過しましたが、まだ電柱には飛来物が付着。ちょうどトランスに覆い被さっているので通電は不可でしょう。1本隣の通りをきんでんのバケット車が通行していましたが地図を見ながら違う方向へ。まだまだ改修箇所があるようです。


発災後51時間

日没で太陽光ダウン

 16時半を過ぎてほぼ日没。今日は雲がかかり薄暗かったので太陽光の発電量はすでに0kWの表示。この2時間後にハウスメーカーやガスメンテ会社の来訪が決定。


発災後52時間

復電

 前触れもなく復電しました。
 52時間、お疲れさまでした。


発災後53時間

ハウスメーカー

 エネファーム発電の方法について相談していたハウスメーカーのメンテ担当者と、ガス器具メンテ会社が来訪。既に復電してしまったので困っていた状況は再現できず。


復旧後

まつりのあと

 お祭り騒ぎが3日程続いたあとは片付けです。
 道具も材料もたくさん出してきたので、時間をかけて片付けしています。



※.当サイトで紹介する情報は災害時の安全を約束するものではありません。参考情報としてご覧ください。





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www.ampita.net




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