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自主防災組織の活動(概論)

自主防災組織

平時

 平時の主な活動は地域住民への啓発と知識の普及、および訓練の実施です。

 大地震だから逃げる、発災直後だから自主防災組織の指揮に従う、避難を手伝ってもらうときは身軽にしておく、といったことを地域住民が理解しているか否かで避難活動の効率は大きく異なります。
 災害時は訓練どおりの環境ではないため、一部の構成員(隊員)が熟知しているという状況で満足していると発災時に機能しない訓練結果となってしまう恐れがあります。

 中核に居る構成員の務めとしては装備品の点検や防災倉庫の整理など、熟練者ゆえの能力を発揮する場面での活躍が期待されます。

 平時の市民活動としての心肺蘇生やAED講習がありますが、近隣にAEDの無い地域では災害時で無くても地域でAEDを使う事はないので出血や骨折の対処の方が実践的かもしれません。
 また、アレルギー対応は不慣れな人が多いので、自ら処置をしないにしても処置方法は知っておくとよいでしょう。


地域イベント・催事 (サイト内リンク)

日本経済新聞:救命救急 市民も競って磨く 大会で意識高める 災害時の初期医療で期待 (2019年1月26日)



発災時

 初動と情報伝達が重要な活動内容となります。

 火災が発生していれば消火活動、建物倒壊があれば素人でできる範囲の救助活動、出血している人が居れば止血と搬送が初動になります。

 並行して住民を安全な場所へ避難させます。避難開始から一時避難場所までの誘導が自主防災組織の役割としては大きく、一時避難場所に行政職員や他地域のボランティアが居ればその先は任せてしまい、自主防災組織は地域に戻って救護活動などを継続することができます。



自主防災組織

発災後一定時間経過後

 炊き出しや安否確認などが発災24時間以内に始まり、その後も継続される活動になります。

 特に安否確認は身元不明のまま病院へ搬送される人や、旅行中や入院中などで不在で地域内では被災していない人の情報などは捜索隊にはわからないため、地域の自主防災組織が住民同士で情報を共有します。
 倒壊の恐れがある危険な建物や土砂崩れのあった場所などは自衛隊など高度な訓練を受けた人でもリスクが高まるため不要不急の捜索はなるべく避けるべきであり、有力な情報があれば共有を図ります。

 避難所では食事の配給や給水が行われます。
 当初は需要と供給の不平衡により人数分のオニギリが無いという事もありますが、そのようなときに誰を優先するかなどを話し合い、調整するのも自主防災組織の役割になる場合が多いです。それを想定してカンパンなどを独自に備蓄するなど、混乱はしても喧嘩や対立にはならないようにマネジメントできる防災リーダーの存在が重要です。


日本経済新聞:ライフライン ずたずた 復旧 メド立たず (2011年3月13日)



自主防災組織

物資管理

 大規模災害では発災3日目頃にはトラックから降ろすことも大変な支援物資が届き、それをどこに置いて、誰に配るのかを采配する人、荷下ろしや開梱のマンパワーが必要になります。
 反対に死者が出ないと報道もされないため小規模災害の扱いを受けるため、支援物資が届かない中で地域社会は混乱するため、例えばブルーシートの共同調達なども自主防災組織があれば実施できる可能性が高まります。


日本経済新聞:滞る支援物資、集積所に山積み 道路寸断が運送阻む (2011年3月18日)



自主防災組織

復旧・復興

 過去の大震災では『復興』を掲げ様々な施策が行われてきました。

 しかし、壊滅的被害を受けなかった地域では復興よりも復旧、原状回復の方が地域コミュニティを維持できて良いのではないかとの意見も聞かれます。

 地域を住民の手で復旧させていく段階で、自主防災組織の果たす役割はより大きくなります。


日本経済新聞:「災害ごみ」復旧の壁に 人も場所も不足、回収進まず異臭 (2018年7月25日)





平時の活動例

啓発

 平時の活動で最も多くなるのが啓発活動です。

 昔から『火の用心』と声を掛けて練り歩く火災予防運動がありますが、地域社会にとっての脅威は地震や火災に限りませんので、啓発活動は継続されます。

 インフルエンザなどの流行性の感染症や特殊詐欺も地域社会に損害を与えると考えれば、予防に向けた啓発活動を実施します。



自主防災組織

地域防災マップ

 地域の防災計画の策定にも必要となる防災マップですが、マップは更新が必要です。

 非常時にパッと見て分かりやすくするためには色分けすることも有用なので、例えば避難支援用は対象者、サポーター、経路などを色分けして見やすくし、避難済の家を塗りつぶしたときに未確認家庭が目立つようにも配慮します。

 エリア内の危険箇所については地域住民(会員)にとっての関心事なので、隊員による定期巡回以外にも、キャンペーンを張って会員から情報収集するのも良い方法です。

 市町村が配布するハザードマップの多くは、隣町のハザードは掲載されないことが多いので、市境の自主防災組織の場合は隣町のハザードや避難先についても調査してマップに掲載します。

 ハザード(hazard)は危険要素や障害物を指します。防災マップではハザードである防災上の危険個所を示すのは当然ですが、防災に役立つ情報として公衆電話の位置や、推奨される避難ルートなども示します。




自主防災組織

訓練

 啓発と並んで重要なことは訓練です。

 学校や会社では集合型の訓練を定期開催することができますが、地域では簡単な事ではありません。
 形式的で良ければ毎月でも開催したことにはできますが『確実に機能する組織』であるためには、その参加者構成や内容にも意味を持ちます。

 10人足らずの子供が防災キャンプをするために25人の大人が手伝い、役員から差し入れもするといった防災イベントを開催しても、有事の際にこの子供たちは自律的に行動することはできないでしょう。この大人も自発的に集まった25人であれば良いですが、参加を強要された人たちであれば訓練になりません。

 実効的、実践的な訓練は企画者の手腕にかかるところがあります。
 しかし企画が綿密である必要性はありません。危機意識、防災意識を持って参加してもらえれば成果が出ます。
 例えば企画側からは『家にある食材や調味料を500円分持参して小学校体育館に集合。災害時を模擬して寄せ集めでの炊き出しをします』という緩い企画と告知でも防災訓練は実施できます。


地域イベント・催事 (サイト内リンク)



保全

 防災用の設備や装備品は災害時に100%の機能を発揮できることが望ましいです。

 しかし災害は滅多に発生しないため、放置され続けてしまうとサビや腐食により故障してしまったり、いざという時に使い方がわからなかったりします。

 自主防災組織の隊員が中心となりますが、これらの備品類の保全活動を平時に行います。
 エンジンやモーターが内蔵されている機器は動作確認を、懐中電灯やラジオなどは動作確認と同時に電池交換や予備電池の消費期限を確認します。

 調理器具や消火器具は訓練に合わせて実際に使ってみるのもよくとられる手段です。





発災時の活動例

初動

 公共事業としての救助や救援が来る前に災害対応できるのが地域に根差した自主防災組織の強みであり、そのための互助組織であります。

 単発的な火災であれば初期消火や住人の救助、ケガをしている人が居れば応急処置が初動活動になります。

 地震など広範な被害が予想される場合は避難の呼びかけや安否確認、建物からの救助などが初動になります。

 初動については防災計画に列挙しておき、何も考えなくても行動を開始できるようにしておきます。



避難

 『災害時要援護者の避難支援ガイドライン』(内閣府)では『市町村は、消防団や自主防災組織等、従来から地域防災の中心となっている団体等への情報伝達責任者(班)を明確にすること』と示されています。
 災害時要援護者の名簿については市町村がまとめ、自主防災組織へ提供することになるため、自主防災組織は可能な限りで避難をサポートします。

 自主防災組織は地域の課題解決ができる柔軟性があるため、独自の避難行動が実施できます。
 『あそこのおばあちゃんは最近骨折した』『○○さんは臨月』など細かな情報更新もできますし、行政が対象としていない乳幼児へ手を差し伸べることもできます。


内閣府(災害時要援護者の避難対策に関する検討会):災害時要援護者の避難支援ガイドラインについて





発災後一定時間経過後の活動例

自主防災組織

安否確認

 安否確認は警察や消防が管掌しているイメージがありますが、誰が安否不明であるか、この安否情報は誰が欲しがっているかといった事まではわからないので地域住民の気遣いが役立ちます。



自主防災組織

給食

 発災直後の数食は備蓄食や、パン・おにぎりなどの配給食から始まります。
 この時期は需給バランスが不平衡な場合もあるので、優先して配給すべき相手は誰か、貰えなかった人たちには何を食べて貰うのか、次の配給時には誰を優先するのか、といった事を計画・実践します。

 次の段階では炊き出しなど自前での調理が始まります。概ね1か月目には避難所に居る人の分だけ弁当が用意されるようになります。

 炊き出しは自衛隊などが調理してくれる場合もありますが、原則的には避難所に居る被災者らが調理します。





物資管理の活動例

物資の保管と分配

 大災害が発生するとプッシュ型支援として国や姉妹都市などから、想定範囲内の物資が一斉に送り込まれてきます。
 その物資は市町村が一旦預かり、その後で避難所などに分配されます。大型の避難所には直送される事もあります。

 次々と届く物資は順次仕分けをして、ラベリングして保管していきます。
 物流管理の経験者であっても、伝票も無く一方的に送ら、出庫予定も未定である荷物の管理は未経験だと思います。箱の大きさは不揃い、中身が混在という荷物も少なくありません。
 出庫優先順も毛布やタオルの需要は一段落してしまえばゼロに近くなり、水などは毎日同数が消費されていきます。

 パンやおにぎりなどはその日のうちに提供しなければ生ゴミになってしまいますので給食班に引き渡します。
 水やマヨネーズ、ふりかけなどは欲しい人が欲しいときに取れるようにディスプレイも考えて管理します。

 発災72時間が精神的にも肉体的にも限界を迎えるポイントであり、その頃に物量も増えるので受け入れる人材たる被災者たちは疲労困憊です。そこにストレスをためた被災者が『毛布を出せ』『トイレットペーパーが切れた』と強い口調で求めると、現場の雰囲気は最悪となります。
 物資管理の指揮官は少数であったとしても、労務提供者は避難所に居る全員でも良いと思います。平時からシミュレーションして、トラブルの無い現場に仕立てましょう。



物資要求と受入

 欲しい物が無尽蔵に送られてくるわけではない中で、欲しい物を誰に、どのように要求すると手に入れられるのかはノウハウがあります。

 避難所の声の大きさにも影響され、テレビ報道があった場所は集中的に物資が集まり、知名度の無い自治体や避難所では『孤立』が顕著になります。

 自治会の役員を務める人の中には『市役所が全部やってくれる』と言い切る人も居られるようですが、市町村職員も過負荷の中で精一杯の仕事をしており、全ての情報に対処したとしても時系列にはズレが生じてきます。

 自主防災組織としては新鮮な情報を高頻度に更新する情報戦に強くならなければなりません。
 情報は二次活用されなければ価値は出ないため、集めた情報を発信し、求める物資へと変えていく力が必要です。

 情報発信力に自信が持てない自主防災組織では備蓄力を高めるのも戦略です。
 年次計画で強化品目を選定し、例えば乳幼児強化年ではオムツや粉ミルク、ヤカン、固形燃料などの消耗品から簡易ベビーベッドや子供服、小型洗濯機などを揃えることで、救援物資として届きづらいものを配備することができます。これらの物は一度揃うと、あとはオムツや粉ミルクを卒業する子供たちから余剰品を寄付してもらうことで追加や入替ができるので、戦略的な備蓄と救援物資のバランスを取ることができます。


日本経済新聞:救援物資、行き渡らず 「小さな避難所、孤立」 人手やノウハウ、不足 (2016年4月18日)



物資の移送

 市内での物資の偏りや、過剰在庫となった場合は近隣でバランスを取ります。

 また、避難所となっている小学校では授業を再開するにあたり、1つでも多くの教室を元通りにしてもらえれば平常通りの時間割で授業することができるため、倉庫代わりになっている教室も空けるようにします。

 物資の過不足については市町村や消防、自衛隊などの協力が得られれば月曜日と金曜日など定期的な情報交換の日を決めてリストアップし、ボランティアが集まりやすい土日に再編するような計画を立てます。

 また、避難所は利用していないが商店の臨時休業で物資調達に困っている市民も居るので、自主防災組織のウェブサイトやSNSを活用して『10kgの子供用オムツが大量にあります』『バスタオル500枚くらいあります』などの情報を提供して在宅避難者への供給も積極的に行います。

 救援物資は避難所のために送られて来るのではなく、被災地・被災者のために善意で送られる物なので、自主防災組織のような地域住民の互助組織が率先して平等・公平な分配に参画すべきです。





復旧・復興の活動例

復旧

 地域社会を少しでも早く、僅かずつでも良いので元の姿に戻していく活動も自主防災組織の大事な役目です。

 発災から数日で始まるのが瓦礫や土砂の撤去と、ゴミの処分です。
 分別困難な災害ゴミも大量に発生し、ムシがたかる前に処分しなければ衛生状態も悪化します。

 余震で倒れそうなブロック塀や小屋などは、住民の許可を取って倒し切ってしまうのも手段です。
 歩行者も車両も安全に通行できるようになれば、地域社会としての復旧としては第一段階が進んだように感じられると思います。電気も通り、街灯がつけばさらに復旧を感じると思います。

 各戸では被害程度が異なるため、なかなか帰宅できない人や、ケガをしてしまって片付けに戻って来れない人も居ると思います。
 そうした家庭の片付けや原状回復をどうしていくのか、自主防災組織が手出しできないにしても、二次災害防止や防犯上の理由から、家主に確認して情報管理するだけでも価値ある行動です。





側副活動

自主防災組織

徘徊見守り

 自主防災組織では高齢者等の避難支援を行動計画に盛り込むことが多くありますが、対象となる高齢者を名簿では見ていても、お互いに顔も知らない希薄な関係であることも多くあります。

 認知症の高齢者は記憶力や判断力に課題があったとしても見た目には大人、電車に乗ったり買物をしたりもできる社会人です。遠くまで行ってしまうことも少なくないので、早急に発見できる地域力には期待が持たれます。

 自主防災組織がすべき仕事ではありませんが、安否確認や避難誘導などの訓練を重ねた自主防災組織であれば地図上に捜索済のエリアを書き込み、徘徊者を探し出す助けができるかもしれません。


日本経済新聞:認知症徘徊、社会で見守り 伊丹市、家族に居場所発信/沖縄市、ラジオで情報提供 (2016年3月2日)



自主防災組織

子ども見守り

 ご近所づきあいの希薄化は時代の流れなので、それを『問題』として捉える必要性はないと思いますが、児童虐待については『気づいてあげられれば』と、事件になってから嘆くご近所さんの声を耳にします。

 家庭への介入は児童相談所や警察の仕事ですのでお任せしましょう。

 自主防災組織の本分としては『防災』『被害軽減』に本領を発揮できれば良いので、普段から地域の子供たちの様子を気にかけ、異変に気付きそうな地域社会であれば、虐待する側に多少なりとも抑止力になる可能性があります。

 防災イベントとして子供を中心としたイベントを開く事で、子どもと地域社会との距離を縮めることができるようになります。
 特に閉じこもりがちになる子の参加を促すような配慮もしてみるべきかもしれません。


日本経済新聞:児童虐待 最多13万件 昨年度 子の前でDV、暴言で半数 認識高まり通報増 (2018年8月30日)



自主防災組織

自動車バッテリ救援(ジャンピングスタート)

 JAF(日本自動車連盟)によればロードサービスの出動理由で最も多いのが『バッテリーあがり』とのことです。
 2017年度の一般道での救援では『過放電バッテリー』が四輪で733,856件(32.84%)、二輪で15,193件(21.33%)と共に1位でした。
 単純計算で1日2,052件、毎分1.4件も発生しています。

 故障車は、他の自動車(救援車)とブースターケーブルで接続してあげればエンジンを始動させることができ、エンジンが始動すれば自車の発電機能でバッテリーが無くても車を走行させることができます。

 このブースターケーブルと救援車を貸し出す活動を自主防災組織が担う事もできます。この作業やタイヤ交換は業許可なしにドライバーができる行為ですので、人助けとしては身近であり、普通であれば有償のロードサービスを受けずに済むとなれば謝意も倍増するかもしれません。
 JAFでは非会員のバッテリー上がり(応急始動作業)が昼間で12,880円、夜間で14,940円です。

 最低限の装備品としてはブースターケーブル(千円〜2千円程)です。救援車が必要になりますが、誰かの自家用車で対応可能です。2千円のケーブルを購入し管理、1回千円の貸出が年1回あれば2年で元手を回収できます。
 救援車を使わない方法としてはジャンプスターターという救援用蓄電池を使いますが、価格は数万円です。防災装備品にバッテリ式の機器があるようでしたら、それを救援するためにも兼用できますので、保有する価値はあるかもしれません。
 すぐに救援はできませんが、充電器も売っています。診断機能付充電器を調達して『無料バッテリ点検会』のようなイベントを開催して自主防災組織の活動に参加してもらうのも良いかもしれません。



JAF:ロードサービス救援データ
JAF:クルマのバッテリー上がりと応急処置








自主防災組織の結成と運営

自主防災組織ガイドブック・マニュアル

避難所(被災後)



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