★今日の課題★」
レベル4の避難指示が出てからの避難実施
激しい雨と、長い雨
2021年8月13日~15日にかけて、激しい雨が幾度も降りました。ほとんど止む時間はなく、小雨も含めて長時間降り続けました。
その結果、あちらこちらで避難指示が出されました。
数は防犯カメラの映像です。あまりに雨が強すぎて糸状に映っています。今まで、このような映り方はしたことがありませんでした。
避難指示(レベル4)
2021年5月から改められた避難情報では、これまで『わかりづらい』と言われていた避難勧告と避難指示(緊急)が廃止され、『避難指示』になりました。
レベル3の『高齢者等避難』は比較的よく出るのですが、レベル4の『避難指示』はだいぶ危険な降雨量であったり、小さな土砂崩れが発生していたりする状況です。
この避難指示が出た場合、自宅が安全であっても集落全体が孤立してしまう可能性もあるので、特に山間部などで道路の選択肢が少ない場所では、平地に避難しておくと救助の手間を省くことができ、消防や警察を生命の危険にさらす事も無くなります。
[Link] 内閣府: 避難情報に関するガイドラインの改定(令和3年5月)
避難所は閑散
今回、指定避難所となっていた近隣小学校へ避難された方が僅かに居ましたが、お話を聞くと『誰も来ない』との事でした。
COVID-19流行拡大後、避難所を利用する人は減り、特に予防的に避難する場合には親戚宅やホテルなどに逃げ込むケースが増えています。
皆さんの考える事は、衛生状態が良いとは言えない避難所で、生活を共にする人数が多ければ感染リスクも高まるということであり、感染を避けるために避難所を利用しないようにしています。
既に災害が発生してしまい、遠方への避難が難しい場合は近隣の小学校にも行きますが、それを避けたいのであれば、早めに避難しておくことが重要になります。
レベル4からの避難
レベル3から4に切り替わると、エリアの防災無線からけたたましい音が鳴り、いよいよ危険である事をアナウンスし始めました。
多くの人が『逃げなければ』と思うような放送とともに、人々が動き出しました。
皆さんの向かう先は避難所ではなく、市街地でした。
避難を検討したのは下記ルート上です。
箕面市の西田橋~勝尾寺橋~泉原バス停~ユニバーサル園芸までのルート上で、どのように避難すべきか要検討課題でした。
情報が一元的でない問題
以前、道路の陥没を発見したとき、道路名が『大阪府道43号線・豊中亀岡線』である事を知り、大阪府都市整備部茨木土木事務所に電話をしたところ、管轄であるとの確認が取れて補修工事をお願いした事がありました。
その情報がインプットされていたので、土砂崩れなどで通行止めがあれば茨木事務所のホームページに掲載されると思って検索したところ、載っていました。
これによると、余野茨木線は泉原バス停付近から松谷集会所佐保公民館付近まで通行止め、豊中亀岡線は地蔵橋から栢原交差点まで通行止めとなっていました。
これを見て『豊中亀岡線の箕面市粟生間谷は行ける!』と思ってしまいました。
[Link] 大阪府都市整備部茨木土木事務所: 緊急情報・通行規制情報
[Link] 大阪府都市整備部池田土木事務所: 災害による緊急情報
辛うじて通れたが
箕面市の西田橋から箕面市クリーンセンター前を経由して泉原バス停まで、8月14日の昼頃は通れました。
通れましたが、安全に通れたという感じではありません。
茨木高原カンツリーの入口付近では泥水が道路に流入しており、どこかの土が削られているのだなと思いました。
避難後に知ったのですが、茨木土木事務所のサイトに掲載されていないから通行止めでは無いという訳ではなく、同じ豊中亀岡線でも箕面方面は池田土木事務所の管轄なので、そちらのサイトで確認しなければならないようです。
あとで通行してみると、西田橋から山の方へ向かうと『この先通行止め』の看板が出ていました。
逆方面の泉原バス停付近にも同じ看板が出ていました。
池田土木事務所によると、豊中亀岡線は『箕面市箕面2丁目~箕面市箕面』と『箕面市粟生間谷』の2か所で通行止めが実施されたそうです。
西田橋から勝尾寺方面に向かう府道4号線・茨木能勢線は『豊能町高山から 豊能町川尻』で通行止めはありましたが、箕面市内では通行止めはなかったようです。
1本道のような道路でも、どこかで管轄が変わり、情報が一括で入手できないのは残念です。
避難路は通行止めアリ
今回は下図の北ルートから避難を予定しました。
下の動画は茨木高原カンツリー入口あたりから、清渓小学校前を通って泉原バス停までのルートです。
動画の最後は『通行止め』の看板で終わりましたが、いつもなら右折して下りる山も、この時は左折しました。
実際に通行したルートは下図のとおり、千提寺から大岩を抜けて佐保へ出ました。
避難には車が必要
雨としては小康状態、さほどキツくもない時ですが、山にたまった水が流れ込んでいるので、道路は危険個所がたくさんありました。
この道路を、子供や高齢者が徒歩で歩いて避難所まで行くのは危険だなと思いました。
理想的に言えば、このエリアに住む、車で避難できない世帯の全員をバスで市街地まで避難させてくれると良いなと思いました。
早々に避難所が開設された清渓小学校や忍頂寺小学校のエリアは1,000世帯、2,000人くらいで、高齢化率は高いです。
運転免許証を返納し、車は持っていないと考えられる世帯がたくさんあります。
急病者発生は深刻
清渓小学校・忍頂寺小学校の最寄りの病院は彩都友紘会病院か北大阪ほうせんか病院です。平時であれば救急車で15分程で到着できます。
消防署は茨木消防署北辰分署があります。両校に5分くらいで到着できます。
平時であれば救急搬送も市街地と大差ありませんが、道路が寸断されると事情は一気に変わります。
高槻方面に抜けられたとしても高槻赤十字まで30分以上かかる可能性があります。ルートによっては1時間以上かかってしまいます。
京都の亀岡まで行ったとしても早くて40分程、道路状況は悪いと考えられますので1時間以上の覚悟が必要です。
倒木などを避けながら、やっとの思いで病院到着しても、心筋梗塞や脳卒中では助からないかもしれません。
そして、次の傷病者発生時が更に深刻です。
救急車は片道1時間かかれば、往復2時間です。1人目を搬送開始した直後に2人目が発生すれば、その救急車が戻ってくるまで2時間かかるので、他の消防署から救急車を出して貰う必要があります。
その救急車は往復2時間は戻って来ないでしょう。もし、茨木市内の道路が使えなければ、高槻市経由か箕面市経由で清渓小学校や忍頂寺小学校へ行く事になります。高速道路から来るかもしれません。
このような顛末を考えると、なるべく多くの避難者を市街地の避難所へ運んでしまった方が、避難指示が出ているエリアの住民にとってメリットがあるだけでなく、市街地に住む茨木市民にとっても救急車利用の機会を逸しないメリットがあります。
茨木市には171号線・中河原交差点のところに阪急バスの営業所があり、何十台もの路線バスが停まっています。
避難する事で助かる生命があるならば、エリアの住民との話し合いの中から、避難の在り方について取り決めができれば良いなと思います。
もし集落が孤立した場合、ヘリで何往復もしなければなりません。ヘリでの救助や搬送には危険を伴い、事故も発生しています。罪のない若者を危険にさらす必要性はないと思いますので、可能であれば集団での遠方避難を考えることも良いなと思いました。
今回、避難所にはほとんど人が来なかったようですので、山の上の避難所も重要ですが、市街地の避難所についても検討すべきではないかと考えます。
雨はやむ
豪雨は大変ですが、それが過ぎれば晴天が戻ってきます。
復旧や復興は苦労が絶えませんが、希望が持てる何かがあれば良いなと思います。
今回、車で避難したので迂回を強いられてもさほど問題ありませんでした。
迂回よりも、泥水が大量に流入する道路を抜けていく事が危険を伴いました。おそらく、徒歩ではきつかったと思います。
レベル4からの避難は車が必要な地域があるとすれば、レベル3からの避難も必要ですが、その段階でも安全とは言えません。救援用に車が配備できると良いと思います。
どうせなら、バスで麓の市街地まで下りて来て市民体育館などに避難し、急病者が出てもすぐに病院へ搬送できる事は重要であり、住民の中で話し合いが持たれる事を期待します。
今回、私たちの避難は無事でしたが、新たな教訓を得ました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。