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パワポがスリープでデータ喪失 ~今日の課題~

★今日の課題★
PowerPointを開いた状態でパソコンがスリープに入ると状態を保存せずにダウンしてしまう。




Microsoft PowerPoint

 マイクロソフトのオフィスシリーズのソフトウェア『パワーポイント』はスライドショーをつくるためのソフトウェアです。

 早いところでは小学校から、遅くとも高校では触れることになるパワーポイントはプレゼンテーションに限らず、様々な使い方ができる便利なソフトウェアです。




何が起きているのか?

 PowerPointを編集している途中でパソコンがスリープに入ると、スリープ解除後にPowerPointが閉じてしまっています。

 一般的に、問題が起きてシャットダウンした場合などは、自動保存されたファイルを適用するかOffice側から提案されますが、そのようなこともありません。


 おそらく、PowerPointの×ボタンを押して出て来る『変更内容を保存しますか?』のポップアップ表示で『保存しない(N)』を押したような状態になっています。







PowerPointのバージョン

 PowerPointのバージョンは、下記のとおりです。

  • Microsoft PowerPoint 2019 (64bit)
  • バージョン 2304
  • ビルド 16.0.16327.20200


 一応、更新プログラムも確認しましたが、ありませんでした。




OfficeはOK

 このPowerPointはMicrosoft Office 2019のパッケージ商品の一部です。

 一緒にインストールしたWordやExcelはこの現象の対象外です。スリープしてもアプリは閉じませんし、データは残っています。

 PowerPoint単体で起こる現象です。




姑息的な対処から開始

 現象としてわかっているのは『スリープから戻れば消えている』ことなので、ここを対処します。

 まず、こまめにセーブ(保存)します。

 ショートカットではキーボードの Ctrl キーを押しながら S キーを押す事でセーブできるので、ページを変えるたびに保存するようにしました。

 離席していつの間にかスリープということは少ないので、食事などの休憩でスリープに入れる前には、PowerPointを自らの手で閉じるようにしました。
 これにより『保存しますか?』と問いかけられるようになるので、ひとつの手立てになると思います。

 自動保存の間隔を5分毎に変更しておきましたが、これが奏功するかどうかはわかりません。




筆者が疑うのはアプデ

 最近、Windows Updateがしつこく更新を促してきたので受け入れたのですが、その頃から異変があったような気がします。

 OSはWindows 11 HOME、バージョンは22H2、OSビルドは22621.1702です。


 Windows Updateは下図のとおりです。


 Windowsの『設定』から『Windows Update』を確認すると、最近(今日は2023年5月14日)のアップデートが2つありました。

  • 2023-05 x64 ベース システム用 Windows 11 Version 22H2 の累積更新プログラム (KB5026372)
  • 2023-04 x64 ベース システム用 Windows 11 Version 22H2 更新プログラム (KB4023057)


 ほとんど毎日PowerPointを使っており、休憩のたびにスリープにするので1日5回以上はスリープにしていると思います。

 PowerPointが消えてしまうと気づいたのがここ数日なので、おそらく更新プログラム『KB5026372』が原因なのかなと思っています。




KB5026372

 具体的内容は下記のとおりです。

  • 過去の更新プログラム『KB5025305』(2023年4月25日)の機能強化が含まれます。
  • カーネル モードのハードウェアによって適用される Stack Protection セキュリティ機能に影響します。
  • 互換性のないドライバーのデータベースにさらにドライバーを追加します。 デバイスは、Windows セキュリティ UI でこのセキュリティ機能を有効にし、ドライバーを読み込むときに、このデータベースを使用します。
  • Windows ローカル管理者パスワード ソリューション (LAPS) の競合状態に対処します。 ローカル セキュリティ機関サブシステム サービス (LSASS) が応答を停止する可能性があります。 これは、システムが複数のローカル アカウント操作を同時に処理するときに発生します。
  • アクセス違反のエラー コードが0xc0000005。
  • Windows の更新プログラムをインストールするコンポーネントであるサービス スタックの品質を向上します。 サービス スタック更新プログラム (SSU) をインストールすることで、堅牢で信頼性の高いサービス スタックを利用し、デバイスで Microsoft の更新プログラムを受信し、インストールできるようになります。

【参考】2023 年 5 月 9 日 — KB5026372 (OS ビルド 22621.1702)

【参考】2023 年 4 月 25 日 — KB5025305 (OS ビルド 22621.1635)


 更新プログラムにある『カーネル モード』とは、OSの基本機能を担うカーネル(Kernel)を実行する際に用いられる権限です。ドライバなどハードウェア系のものだと思いますのでPowerPointには関係ないのかなと思います。

 LAPSはローカルのパスワード管理に関係するものだと思いますので、PowerPointには関係ないのかなと思います。

 サービススタック更新プログラム(SSU: Servicing Stack Update)は、WindowsUpdateのサービススタックを修正するための更新プログラムなので、PowerPointには関係ないのかなと思います。

 そうなると、今回のインストールが単体でNGではないかもしれません。前回の『KB5025305』の影響が間接的に関わっているかもしれません。

  • ファイアウォールの設定を変更します。 これで、アプリケーション グループルールを構成できるようになりました。
  • イランのイスラム共和国に影響します。 この更新プログラムは、2022 年からの政府の夏時間変更命令をサポートしています。
  • ローカル セキュリティ機関サブシステム サービス (LSASS) プロセスに影響する問題に対処します。 応答が停止する可能性があります。 このため、マシンが再起動します。 エラーは 0xc0000005 (STATUS_ACCESS_VIOLATION) です。
  • Microsoft Edge IE モードに影響する問題に対処します。 タブ ウィンドウ マネージャーが応答を停止します。
  • 保護されたコンテンツに影響する問題に対処します。 保護されたコンテンツを持つウィンドウを最小化すると、コンテンツが表示されない場合に表示されます。 これは、タスク バーサムネイルライブプレビューを使用している場合に発生します。
  • モバイル デバイス管理 (MDM) のお客様に影響を与える問題に対処します。 この問題により、印刷が停止されます。 これは例外が原因で発生します。
  • 特定のモバイル プロバイダーのアプリ アイコンを変更します。
  • 署名されたWindows Defenderアプリケーション制御 (WDAC) ポリシーに影響する問題に対処します。 セキュリティで保護されたカーネルには適用されません。 これは、セキュア ブートを有効にした場合に発生します。
  • タスク ビューが間違った領域に表示される問題に対処します。 これは、Win + Tab キーを押して全画面表示ゲームを閉じるときに発生します。
  • PIN を使用してWindows Hello for Businessにサインインするときに発生する問題に対処します。 リモート デスクトップ サービスへのサインインが失敗する可能性があります。 エラー メッセージは”要求はサポートされていません” です。
  • 管理者アカウント ロックアウト ポリシーに影響する問題に対処します。 GPResult と結果のポリシー セットは、それらを報告しませんでした。
  • 統合書き込みフィルター (UWF) に影響する問題に対処します。 Windows Management Instrumentation (WMI) の呼び出しを使用してオフにすると、デバイスが応答しなくなる可能性があります。
  • 回復性のあるファイル システム (ReFS) に影響する問題を解決します。 OS の正常な起動を停止する停止エラーが発生します。
  • MySQL コマンドに影響する問題に対処します。 Windows Xenon コンテナーではコマンドが失敗します。
  • SMB Direct に影響する問題に対処します。 エンドポイントは、マルチバイト文字セットを使用するシステムでは使用できない場合があります。
  • 以前の Intel グラフィックス ドライバーで DirectX を使用するアプリに影響する問題に対処します。 からエラーapphelp.dll受け取る場合があります。
  • 従来のローカル管理者パスワード ソリューション (LAPS) と新しい Windows LAPS 機能に影響する問題に対処します。 構成されたローカル アカウント パスワードの管理に失敗します。 これは、2023 年 4 月 11 日の Windows 更新プログラムを従来の LAPS ポリシーを持つマシンにインストールした後に、レガシ LAPS .msi ファイルをインストールするときに発生します。

 前回はこれだけたくさんのアップデートがあったのですが、どれを見てもPowerPointに関係していそうなものが見当たりません。


 なお、上記の『KB5026372』が最新の更新プログラムです。更新プログラムのチェックを実施した結果は下図のとおりです。




McAfeeが悪い?

 Microsoft Communityに『PowerPoint automatically closes when laptop goes into sleep in windows 10』の中にあったAndre Dedyさんの2022年1月28日の投稿に注目しました。

I found that it had something to do with my antivirus installed on my laptop. The antivirus was McAfee which was preinstalled on my laptop. After removing the antivirus, the issue was gone. Currently I only use Windows Defender. I haven't tried other antivirus because I'm worried it will have the same impact as before.

【参考】Microsoft Community
【参考】PowerPoint automatically closes when laptop goes into sleep in windows 10


 英語で書かれた投稿ですが、日本語に訳してみると下記のようになりました。

 私のノートパソコンにインストールされているウイルス対策と関係があることがわかりました。
 そのウイルス対策は、私のノートパソコンにプリインストールされていたMcAfeeでした。アンチウイルスを削除したら、この問題は解決しました。
 現在、私はWindows Defenderだけを使用しています。他のウイルス対策は、以前と同じような影響が出るのではないかと心配なので、試していません。

Microsoft Community

 McAfeeのウェブサイトには、ユーザーの投稿が掲載されています。投稿日は2022年1月29日です。OSはWindows 10です。

When PC gets to sleep, only the PowerPoint Microsoft 365 is automatically closed. The other MS office applications (word and excel) as well as the internet browsers are properly working when PC sleeps or hibernates.

None of the temporary files of the works done using MS PowerPoint before PC sleeps are saved. I think this is serious issue for all Microsoft office users.

This incident has started happening probably recent several weeks back. It can be fixed by uninstallation of McAfee product. Therefore, I suspect that McAfee application forces to close the MS PowerPoint with some reasons.

OS installed in my PC is Windows 10.

Does anyone know if this issue can be fixed by changing any configuration set up in PC or McAfee?

MS PowerPoint automatically turns down when PC sleeps and McAfee is working back ground

MS PowerPoint automatically turns down when PC sleeps and McAfee is working back ground
When PC gets to sleep, only the PowerPoint Microsoft 365 is automatically closed. The other MS office applications (word and excel) as well as the internet browsers are properly working when PC sleeps or hibernates. 

None of the temporary files of the works done using MS PowerPoint before PC sleeps are saved. I think this is serious issue for all Microsoft office users.

This incident has started happening probably recent several weeks back. It can be fixed by uninstallation of McAfee product. Therefore, I suspect that McAfee application forces to close the MS PowerPoint with some reasons. 

OS installed in my PC is Windows 10.

Does anyone know if this issue can be fixed by changing any configuration set up in PC or McAfee?

 簡単に翻訳してみると以下のようになります。

 PCがスリープ状態になると、PowerPoint Microsoft 365だけが自動的に終了します。他のMSオフィスアプリケーション(ワード、エクセル)やインターネットブラウザは、PCがスリープまたはハイバネートしても正常に動作しています。

 PCがスリープする前にMS PowerPointを使って行った作業の一時ファイルは、一切保存されません。
 これは、すべてのマイクロソフトオフィスユーザーにとって深刻な問題であると思います。

 この現象は、おそらく最近数週間前から起こり始めています。マカフィー製品をアンインストールすれば直ります。したがって、私は、McAfeeのアプリケーションが何らかの理由でMS PowerPointを強制終了させているのではないかと考えています。

 私のPCにインストールされているOSはWindows 10です。

 この問題は、PCやマカフィーの設定を変更することで解決できるのかどうか、ご存知の方はいらっしゃいますか?

PCがスリープするとMS PowerPointが自動的にダウン、McAfeeはバックグランド作業中

 この解決策として提案されているのは以下の3点です。

  • McAfeeを最新版にアップデートする
  • Windows Updateを実行する
  • McAfeeソフトウェアを再インストールする

 上記で解決したという人が居るかわかりませんが、解決できなかったという書き込みが散見されます。




筆者環境のMcAfeeは大丈夫(?)

 筆者もMcAfeeを使っているので、無効化してみましたが、問題は解決できませんでした。

 結果から見れば、McAfeeは関係ないのでは、ということになります。


 ただし、アンインストールしている訳ではないので、McAfeeの動作ではなく、設定や環境の問題であれば、McAfeeが関係している可能性があります。




旧PCは大丈夫

 以前使用していたパソコンで同じ事を試してみましたが、この現象は起こりませんでした。

 FujitsuのFMV、OSはWindows 10 Pro、バージョンは22H2、OSビルドは19045.2846です。


 オフィスはMicrosoft Office Professional 2010(32ビット)、バージョンは14.0.7268.5000です。


 セキュリティは問題のあるパソコンと同じMcAfeeです。

 インターネット環境などもすべて同じです。

 この組み合わせにおいて、PowerPointを起動したままスリープに入っても、アプリは閉じませんし、データも不変です。




ざっと、まとめると

 Microsoft OfficeのPowerPointを編集中にWindowsパソコンがスリープになると、PowerPointは閉じられ、そして保存はされずに終了してしまうという現象が起きている。

 調べると2022年にはWindows 10の環境下で事象が発生している。

 一部の人はMcAfeeをアンインストールすることで解決できているという。
 しかしながら、解決できなかったという意見もある。

 今回、筆者の環境はWindows11、おそらく1カ月前にはこの現象はなかったと思われ、ここ半月程度で起き始めたと思われる。

 ここ半月にWindows Updateが3回あった。PowerPointに直結するような内容のアップデートは無さそうであった。

 筆者環境にはMcAfeeがインストールされているが、これを無効化しても何も変わらなかった。
 すなわち、McAfeeは関係ない可能性がある。

 解決策が見つからないため、姑息的に保存(Save)の回数を増やして、スリープに入れる前にはPowerPointを閉じるようにしている。




あとは何を?

 これ以上のことは素人には無理かなと思います。

 おそらく、スリープに入るときに何らかの処理が行われているためにPowerPointが閉じられていると思いますので、その処理を阻止するか、閉じる処理のときに保存を選択するように強制するか、の2つかなと思います。

 プログラミングをするとき、Excelファイルを扱う場合にはオブジェクトを閉じる時に変更を保存するかどうか指定します。このような指定をアドオンのような形で仕込めるのであれば、どうにかなるかもしれません。

xlsObjXXX.Close(SaveChanges, Filename, RouteWorkbook)

 海外でも同じ現象が出ているようなので、どこかの国で改善策が見つかるか、声がたくさん集まってMicrosoftが直してくれることを願っています。




おわりに

 今回は未解決です。

 Windows側に問題があるとすれば、ユーザーが改善できる訳ではないので、今後のアップデートを待つしかないかなと思います。

 解決策を見つけることができなかったことは自身の不便もありますが、せっかくこのページをご覧いただいた皆様に申し訳なく思っております。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

継続




2023年5月31日追記

 後日、解決策が見つかりました。

「パワポがスリープでデータ喪失 ~今日の課題~」への2件の返信

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