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『羽田空港で卒倒者』 -今日の課題-

★本日の課題★
羽田空港で卒倒者に居合わせた




『お医者様は居りませんか?』


 本日の羽田空港国内線第1ターミナル搭乗口近くでの出来事。大阪伊丹から東京羽田に到着し、予定が変わったので搭乗口近くのベンチでパソコン作業していたときの話です。

 ランチタイムに差し掛かったあたりでJALの制服を着た地上係員が『お医者様は居りませんか』と大声をあげていました。



私は医者ではありません

 遠目にしばらく様子を見ていましたが、医師らしき人は現れる気配がないので、思い切って立ち上がりました。

 ちなみに、私は医師ではありません。したがって、第一声は
『医師では無いのですが、お手伝いできることがあれば』
という主旨の事を述べたように記憶しています。

 一応、医療有資格者であり、臨床経験もありますが、医者ではありません。



医師ではないからできる最善

 医師であれば、医療行為は全般的にできます。

 道具も何もない場所でも、最高の医療を求められてしまうのが医師です。

 一方で私たちのような人間であれば、前提条件として『何もできない』というレッテルから入り、救急隊到着までの間のつなぎの処置に『少しでも貢献』すれば良いとも考えられます。

 手抜きをする訳ではありません。
 課せられる責任の重さが違うのです。
 最善は尽くすが結果は求められていない、そこが医師との大きな違いになります。



無知ではないが、玄人でもない

 これまでに一次救命処置(BLS)と呼ばれる市民が行う救命活動の講習には何度も関わり、何十回とインストラクターを務めた経験がありました。

 短時間のBLS研修ではAEDや心肺蘇生を習いますが、時間が長いときや経験者ばかりの時は気道内の異物除去など心肺停止以外のシチュエーションを描いてトレーニングします。

 今回のケースは心肺停止ではありませんでした。

 ご家族で食事中に、椅子に座ったまま意識喪失したようです。

 椅子に座ったままではいつ頭から倒れるかわからないのですぐに床に寝かし、口が完全に閉じてしまうと今後の処置に手間取りそうでしたので木製のスプーンをくわえてもらいました。
 この咥える物を探すのに苦労しました。病院では『バイトブロック』という専用の物がありますが、警官が差し出してきたのは警棒、警備員は歯が折れそうな硬い物を色々と差し出してくれました。

 患者さんの横へ行ってからはずっと橈骨動脈に指を当てたままバイタルサインの変化を触知しつつ、できる処置や観察を続けました。

 ご家族から既往症をお聞きし、だいたいの想像がついたところで回復体位。気道を確保したまま観察を続けました。



救急隊は2チーム

 どういう訳かわかりませんが、救急隊は2チーム来ました。

 1つはグレーの制服、もう1つはブルーの制服、どちらも東京消防庁のヘルメットをかぶっていました。




救急隊から渡されたもの


名刺大のカード

 救急隊から、隊到着までの概要を聞かれたので簡単に説明しました。

 最後に、名刺サイズのカードを渡されました。

 口頭でも『ご協力ありがとうございました』と申し添えて頂き恐縮しましたが、すぐに安全に関する説明が行われました。

 もし、血液等に触れたようであれば申し出て欲しいとのことで、後からでも結構ですということでした。




JALからの申し出

着替え

 救急隊に引き渡したあと、JALの職員が近づいてきて感謝の辞を述べて頂きました。大変恐縮です。

 続けて『困りごとはありませんか』『お洋服は大丈夫ですか』などと聞かれて初めて気づきました。

 ワイシャツが濡れていました。

 出張で来ていたので着替えは持っていましたが、着替える場所が欲しかったのでその旨をお願いすると『すぐにご用意します』との返答で、数分待つことに。



ハイクラスラウンジ

 『では、ご案内します』という事で付いていくとそこは、ハイクラスの人が入るラウンジでした。

 シャワールームのキーを渡され『自由に使ってください』ということでした。

 黒く大きなタイル貼りのシャワールームにはシャンプー、コンディショナー、ボディソープ、タオルなどが揃えられており、使用のたびに清掃しているらしく室内はキレイでした。



シャワールームで終わり

 高橋真麻さんやサバンナ高橋さんらがテレビ番組で紹介しているラウンジまで数メートルのところに来ましたが、今回はシャワールームで終了です。

 おそらく、この先に行けばフードやドリンクが提供されているのであろうと思いましたが、それを見学することもなく、もちろん口にすることもなく、ラウンジを後にしました。



実はJALの乗客ではない

 卒倒された方は、実はJALの乗客ではありませんでした。

 他社の便に乗る予定のお客さんでしたが、そのような事は特に気にすることもなくシャワールームを貸したり、他にも様々な対応に人員を割いていました。

 私はJALの乗客です。伊丹空港からは普通席ですがJALを使って羽田まで来ました。

 どこかの段階で『今日はどの便にご搭乗で?』と聞かれた覚えがあり、便名を答えたような気がします。

 今年だけで20回目くらいのJAL便、人の良さから見ると今後もJALを利用しようと思いました。

 搭乗回数が増えれば、あのラウンジにも入れるようになるためのノルマは『年間120回』です。週1往復でも100回なので、そう簡単に入れるラウンジではなさそうです。




後日談

日本航空から御礼状

 後日、日本航空から御礼状をいただきました。

 ご丁寧に、ありがとうございました。




 今日の解決策は、バイスタンダーとして一次救命処置に参加して人命救助でした。

 卒倒された方、元気に回復してご旅行にも参加できている事を願っています。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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